ヘリマネはあるのか? 狭義のヘリマネはなくても、広義のヘリマネならあり得る。
ヘリマネってなに?
ヘリマネの定義は一様ではないが、「政府の財政出動を中銀の紙幣発行で補う政策」との説明がイメージに一番近いかもしれない。
要するに、通常の財政出動を行いつつ、その原資を「日銀による国債の直接引き受け」によって調達することをヘリマネと呼ぶことが多い印象である。
この点、新発債のほとんどを日銀の量的・質的金融緩和政策(QQE)で購入している現状が「実質的なヘリマネ状態」という評論は当初から頻繁に見られてきた。
両者の違いを見出すならば、消費税引き上げを中止ではなく延期としているなど「財政再建の旗」を降ろしていない点だろうか。
「ヘリコプターからばらまく」というイメージに沿えば、ばらまいたお金を回収するという意思は想定されない。だからこそ満期の無い永久債発行が取り沙汰されるのである。
狭義?広義?
最も狭義のヘリマネとは、日銀が、資産を買い取ることなく日銀券を発行し続けるということ。つまりお金をたくさん印刷してばらまくといういこと。これはさすがに市場の大勢は「できない」と判断している。
では広義のヘリマネとはなにか?
1.日銀の保有国債を永久債に換え、実質的に消却し、浮いた利払い分を他の必要な政策項目に割り当てるという内容。
2.有力財源の当てが不明確なまま、政府が短期的な資金繰りとして赤字国債や建設国債を増発し、
日銀がマイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)を強化し、財政拡張・金融緩和強化を長期間継続すること。
3.日銀のQQEが長期化する兆しがあり、政府が大幅な赤字国債の増発に踏み切った場合、日銀が政策を維持したままでも、
事実上、ヘリマネと同じ効果が出るとの見方が市場で広がりつつある。
再三否定されているヘリマネ実際には?
再三否定されているのは
「狭義」のヘリマネに対する見解と思われるが、
市場で取り沙汰されている
「広義」のヘリマネに対する黒田総裁の発言は今のところない。
先日の選挙で大勝した安倍政権。
狭義のヘリマネではないにしても、
広義のヘリマネなど
なにかしらの動きをしてくるのは、可能性が高そうである。